オランダで個人事業主になって1年。
ちょうど1年前の10月1日、ノリで?流れで?個人事業主(フリーランス)になることになり、KVK – Kamer van Koophandel(オランダの商工会議所)に行きました。
下の子を連れて、果たして本当に登録できるのか不安をいっぱいかかえて待合室で待っていたのが昨日のようです。
メインはピラティスのインストラクターとして働くことでしたが、夫の仕事のヘルプもしたりして、あっという間の1年間。
試行錯誤しながらのインストラクターのお仕事でしたが、いろんな人に助けられ、教えている私が一番楽しんでいました。
誰かに教えることで自分に足りないモノも見えてきて、もっと知りたい、もっとわかりやすく教えたい、と勉強欲が。
さらに私は、まずは何事も自分に落とし込まないと納得できないので、トレーニングの時間を増やして自分の身体にすごく意識が向くようになり、ますますピラティスの魅力にはまっていきました。
目標や目指すところができると、途端にエンジンがかかるのが私の特徴で、それからは生活にメリハリが出て、ちょっと嫌なことがあっても必要以上にイライラしなくなりました。(これは家族にとってかなりのメリットらしいw)
自分の世界を持つのって本当に大事。
ピラティスを教えて欲しい、と言って私にインストラクターとして働くきっかけをくれた友人には本当に感謝です。
その友人はスタート時から週1で私のレッスンに参加してくれていて、一番身体を変えた優秀で、真面目な生徒です(笑)
今年はもう一つ、自分の中でクリアした目標があります。
Inbrugeringというオランダ語の市民化統合試験に受かること。
永住権が現実のものとして見えてきた今年(移住4年目)、とりあえず条件が厳しくなる前に最低限必要とされているオランダ語の公式diploma(A2レベル)を取ってしまおうと決めたのが今年の7月でした。
オランダ語は、もうすでに語学学校でB2(このレベルの公式diplomaを持っていれば大学に入れるというもの)のコースを終えていて、もう少し勉強したら試験を受けようと思っていたところだったのでreading, writing, listening, speakingの科目はそれほど難しくありませんでした。
ただ、オランダの一般常識問題とオランダ労働市場についての課題とインタビューがなかなかの曲者でして、、、。
なので、全科目一発合格した時は、思わずガッツポーズ!
私が本当にほしいdipromaはこれじゃないのに、とか、なんでこんな課題やらなきゃいけないの?とか、文句ばかり言ってたし、途中で本当にめんどくさくて投げ出したくもなりましたが、今となっては「やってよかった」と思えるくらい、オランダのいろいろな側面(文化や慣習、システムなど)を知るいい機会になりました。
私はそれまでCV(職務経歴書)やカバーレターを英文ですら書いたことがなく、いきなりオランダ語でそれらを作らなくてはいけなかったのですが、まずは、CVとは?カバーレターとは?というところから調べ始め、日本語で大枠を作り、そしていろんな例を参考にオランダ語に訳すという気の遠くなるような行程を経たのでなおさら感慨深かったです(笑)
オランダ語をちゃんと勉強し始めて2年、目指すdiplomaにはまだ手が届いていないものの、面接官との一対一のインタビューで、40分間オランダ語だけで自分の仕事や就職活動について会話ができたことや、初めて公式Diplomaを得たことは自分の中で大きな自信につながりました。
このインタビューの後からは、この自信のおかげか、間違っていてもオランダ語で会話をするのが怖く無くなったんですから、不思議です。
自信って、子どもだけじゃなく大人も大事!
オランダ語も、ピラティスのインストラクターも、最初はほんの小さな一歩。
焦らず、急がず、目の前にあることを確実にやっていこうと続けてきた2つでしたが、ふと後ろを振り返るとそれなりに「道」ができていて、
「ああ、私は確かにここオランダに暮らしていて、ちゃんと歩いてきたんだ」
と思えたのが嬉しかった。
普段、あまり後ろは振り返らないんですが、たまには必要かもしれません(笑)
時には、誰かと比べて落ち込むこともあったし、
時には、やりたいことが見つからずにモヤモヤを周りに当り散らしていた時もあったし、
時には、結果を急ぎすぎて完璧を求めすぎて、できない自分を責めて悩んでいたことも。
でも、全てがつながって「道」になっていました。
これは、オランダに住んでいるから特別、なワケではなく、きっと日本に住んでいても同じなんだと思います。
でも、私にとってことしは、やっと、自分のために自分の時間を使うことができて、その結果がちゃんとでた1年だったんじゃないかな、と思うのです。
自分のために自分の時間を使う、あ、ついでにお金も。
これって、母になってからはなかなかできませんでした。
していいよ、と言われていた気もしますが、できませんでした。
いや、そうでないママたちもたくさんいるんでしょうが、少なくとも私は、オランダに来てからは必死だったので、そんな時間はありませんでした。
子どもの成長や、夫の理解や協力あってのこの「道」だけど、
自分で切り開いてきた結果でもあるんだ、思いたい。
ことしは年明けから災難続きで、辛いこと多すぎてもう踏んだり蹴ったりでしたが、頑張っていたらいいこともあるんですね。
いまは解剖学や整体など、身体のことをもっと勉強したいのと、リフォーマーピラティスの指導資格も取りたいと思い始めてしまったので、必然的にさらなるオランダ語の勉強が必要になってしまいました(苦笑)
何年かかるかわからないし挫折するかもしれない、途中で気が変わるかもしれません。
でも、最初の小さな一歩は必ず自分の歩いてきた「道」になる、と信じていたい。
だから、目の前にある面白そうなことから、またコツコツと努力の日々が始まりそうです。
さて、次に振り返るタイミングはいつになるでしょうか?
楽しみなような、怖いような(笑)