今年の春、ある日本人女性から移住に関する相談を受けました。
私も移住する前に現地に住んでいる方とSNSでつながり、その方に大変お世話になった経験があるので、そういう方のヘルプは出来るだけしたいと思っていました。ただ、私自身もまだ移住して間もないので無責任なことも言えないし、あまりに何も考えずにとりあえず移住について聞きたいという方も多く、じっさいにご相談を受ける機会が今までほどんどありませんでした。
そんな時、あるサイトを通じてAさんから移住について相談に乗って欲しいというメールをいただきました。
メールのやり取りの中で、きちんと移住について下調べもされており、移住する時期もきまっていてとても誠実な印象を受けたので、Aさんが渡蘭するタイミングでお話をさせていただいたのです。
その時はあまり時間がなく、必要最低限の事しかお伝えできなかったのですが、実際にお会いした時もとても好印象で本当に心から応援したくなるようなお人柄だったのを覚えています。
そのAさんが無事、この夏オランダに移住したのです!
一番の懸念だった住む家もちゃんと下見の時に見つけたおいたらしく、そこに住まいを構え、お子様たちも語学学校へ通い、ご自身もすでにオランダ語の勉強もはじめてらっしゃいました。
そんな話を、今日、数ヶ月ぶりに再会していろいろ聞いてきました。
オランダに住んでいる日本人はそこそこいるとは思いますが、オランダにあえて移住してくる日本人(子連れ)なんてそう多くない。
会社のヘルプもなく、オランダ人配偶者の知恵もない、そんな中で生活の基盤を整えることの大変さといったら!!
もう、本当に次から次にいろんなことが起こるし、はたまたいろんなことが滞るし、オランダに対する「?」がたくさん頭に浮かできて気が狂いそうになったのを思い出しました。
Aさんも、もれなく私と同じような状況の真っただ中にあり疲れている様子もありましたが、そんな中でもたくましく前を向いて移住生活のスタートを切っていました。
その様子に4年前の自分を重ね、心の底から共感しまくっていた私(笑)
右を向いても左を向いても、私の苦労なんて誰にもわかんないんだよ!って心の中で叫んでいたあの頃の私が、そこにはいたのです。
そうしたら、もう無条件に私自身が経験して得た知識や知恵はシェアしてあげたくなってしまって、おせっかいおばさんみたいにしゃべりまくってました(苦笑)
彼女の近況を聞いていただけなのに、いつの間にかそれに昔の自分を重ね、彼女の労をねぎらいながら過去の自分の労をねぎらっていたわたし。
どこまで図々しいんだ!と突っ込みたくもなりますが、そのおかげか?話し終わった後の爽快感と言ったら(笑)
かなり気持ちが前向きに明るくなっていました。
こういう方にこそ、私の経験は役に立つのかもしれない。
あの時、苦労しておいてよかった。
あの最初の1年で、私は自分の中の全ての基準を下げて、期待しない、がっかりしない、を覚えてオランダでストレスなく暮らすコツを得たのですが、、、
それだけじゃなかったんですね。
あの時の苦労や涙、無力感、焦燥感、イライラなど、あまり思い出したくない経験もこうして誰かの役にたつと考えると、無駄じゃなかったんです。
オランダにはいい部分もたくさんあって、住めば都というようにいまではどっぷりオランダ生活が板についてきたんですが、やはり最初はなんだかんだと大変でした。
何はともあれ、偶然お手伝いした方が同じような境遇で試行錯誤しながら移住生活を楽しまれている。そのことが、何か同士を得たような気がしてとっても嬉しかったのです。
これも何かのご縁、同じ日本人、助け合って暮らしていかないとですね!