ママ、笑ってますか

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霧雨の降る中、長男は小学校最後のスクールキャンプへ出発しました。

前日に自転車で派手に転んで痛めた足の怪我を心配する親をよそに(やせ我慢にも思えましたがw)、「じゃ!」と軽く手を振って行ってしまったその背中が、とても頼もしく、寂しくも思えた瞬間でした。

長男はこの夏に11歳になり、日に日に親を必要としない場面が増えてきました。そういう年頃なんだろうと思い、なるべく口はださずに本人のやりたいようにさせています。学校への送り迎えも不要となり、サッカーへもお友達と行ったり、料理もするようになったので母としては楽になったなぁと思うことの方が多いのですが、父親にとってはなにやら物足りないようです(笑)

その微妙な心情は

http://otoyon.com/archives/4408

でお読みいただけますので、父親の気持ちが知りたい方はぜひ!

母親の私はというと、長男が小さい頃から早く自立してほしいと願っていたので親離れは嬉しくて仕方ありません。むしろ、ちょっと寂しく感じる自分がいることに驚いているくらいです。

私の夫は家族のために仕事をし、家族の幸せのための労を惜しみません。子育てにもとても熱心で協力的です。だからこそ、長男の親離れで心に隙間風が吹いているのでしょうが、子育て第1章が終わってしまった喪失感に呆然とする夫の姿がおかしくて思わず笑ってしまいました。

私はその逆で、家族のために何かをするときはいつだって「仕方ない」という気持ちがつきまとい、喜んでやりましょう!なんてほぼ感じたことがありません。

家族よりも「自分」の方が先に立つのです。

何てひどい母親だと思われるかもしれませんが、こればかりは正直な気持ちなので仕方ありません。

実父がこういったことがあります。「お父さんは家族のために働いているんじゃない、自分のために、自分の名を後世に残すために働いているんだ」と。

家族を養うことは最低限の義務であり、それをするのは当たり前。それよりももっと高い意義を持って生きていると。

あっぱれです(笑)

夫とは真逆の発想。それを聞いたとき私はまだ大学生だったので家族として複雑な気持ちでしたが、今となっては、自分も父と同類だと気付き血は争えないなあと納得しています(苦笑)

私には、自分の幸せがあってこその家族の幸せ、なのです。

家族のために自分の時間を削って、やりたいことを我慢して、良かれと思って家族に捧げた時間と労力は、必ずしも私を幸せにはしてくれませんでした。

人によっては家族のために尽くすことと自分の幸せが結びつく幸せな方がいらっしゃいますが、私はそうではありません。

だから、望んで産んだ子どもを目の前にしても、「思い描いていたものと違う」と悩み、自分の時間だけがなくなる、思い通りにいかない、子育てが辛い、と負のループに陥って悩みました。

それは2人目を産んでオランダに移住しても時々出てきては私を苦しめました。

そして気付いたら、

私、笑っていなかったんです。

子どもが小さい頃は、大変なことがあってもそれなりに子どもに癒され、成長に励まされ、近くにいた親にも助けられながら何とかやっていましたが、そのうち家族の中で心地よい居場所を失い全てが義務となり、特に楽しみもないマンネリな毎日に不満や愚痴ばかりが頭の中を巡るようになっていました、、、。

笑えていない自分に気付いた時、まるで底なし沼に落ちていくような錯覚を覚え、今にも泣きそうだったのを覚えています。

私、このままだとダメになる。

今思うと軽い鬱状態だったのだと思います。幸い親身になってくれる友人がいて話を聞いてもらえる機会があり、救われました。

あれから数年が経ち、私は自分の世界を家族の外に作りました。すると自然と家族に対して優しくできるようになり、浮き沈みのある気持ちのリズムとも上手に付き合えるようになったのです。

そして気づいたら、心の底から笑っていました。

その瞬間も鮮明に覚えています。

私、今笑ってる!家族みんなと一緒に笑えてるって。

かなり重症ですよね今思うと(笑)

家族、特に夫は私の変化に敏感でした。私の機嫌がいいので家族の雰囲気もいいと良く言われましたから。

つまり何が言いたいかというと、

ママが幸せなら家族も幸せなのです。(オランダはまさにコレ!!)

ママの笑顔が家族を幸せにする。

子どもも旦那さんもママには笑顔でいてほしい。だから、世の中の(特に日本の)ママはもっと自由に好きなことをしていいと思うんです。楽な道を選んでいい。

賛否両論ありますが、オランダのママは無理してまで自分が大変なことや嫌なことはしません(笑)

何でもいい、仕事でも趣味でも勉強でも。子どもがいるからって我慢することなんてない。自分のことを後回しにしてまで家族に尽くしたって感謝されるとは限らないんですから。

うちの長男みたいに、どんなに心配して傷の手当てしてあげたって、「ありがとう」の一言もなく「全然平気だから」とプイッと行ってしまうんですからね(笑)

ママが好きなことをする時間のためにパパは全面的に協力してあげてください。ママにどうしてほしいか聞いてあげてください。

ここポイントです。僕がやってあげたい、やってあげられるヘルプではなく、ママが望むヘルプです。それを黙ってやってあげてください(笑)

愛情は水のようなもので、コップがいっぱいになった時に溢れ出てほかへ向けられます。だから、ママは自分が喜ぶことをして自分に愛情をたくさん注いであげてください。そうしたら自然と家族に愛情を注ぐことができます。

家族を心から愛しく思い、感謝の気持ちでいっぱいになります。

私がそうでした。

だからこそ、ずっと私の背中に隠れていた長男が私の先を歩くようになった今、その背中を見るたびに自立していく彼の背中が愛おしく見え、あんなに自立を望んでいたのにもかかわらず、少し寂しく感じられるのだと思います。

私はこれからも自分のやりたいことをして、自分を喜ばせ、自分を第一に考えて生きていくと思います。

でも、昔と違うのは、家族を優先しなければならない時には喜んで家族の一員としての役割を果たせると思うのです。感謝と尊敬を持って、心からそれが私の使命だと思って臨める気がします。家族のために行動することを自分の喜びと思えるでしょう。

最後に、

喧嘩もするし意見がぶつかることもある、そして「私は好きなことをして生きていく!」と公言しても、最終的には「君の好きなようにすれば良い」といつも全面的に私を支えてくれる夫には感謝しかありません。

彼が家族大好き、家族のために全力を尽くせる人だからこそ、私は自由に自分のしたいことを追求できるのですから。

そんな夫は、まだまだ親離れしてない次男のお迎えに、いそいそと楽しそうに出かけて行きました(笑)

ママはもう少しゆっくり親離れ、子離れしていこうと思います。


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