約10日に及ぶ次男の看病からやっと解放されました。
解放された嬉しさよりも、元気になってくれたのが本当に嬉しくてホッとしています。またあの子の笑顔が見れるのがこんなに嬉しいなんて。それほど、今回はきつくてとても辛そうでした。
最初はただの風邪、もしくはインフルエンザだと思っていましたが、結局、咳がひどいく熱が1週間も下がらなかったので肺炎に使われるペニシリン系の抗生物質を処方されました。そして飲み始めて2日目くらいから効果が出てきて、今日から元気に学校へ。
前のブログでも書いた通り、今回は珍しくハウスアーツへ連絡をしました。いつもハウスアーツへ行くときはあらかじめ想定される病名や気になることを調べてから行くのですが(そうしないと、症状だけ訴えてもパラセタモールだけで帰されることもあるので)、今回ももちろんそうしました。
今回は熱が3日以上続いた時点でおかしいと思っていて、さらに咳がひどくて咳き込む、呼吸が苦しそう、という症状があったのでまず肺炎を疑い、それには抗生物質が必要でその種類は何か、まで調べていきました。
案の定、肺の音を聞き、変な音はしないので肺炎の疑いはないと言われましたが、すでにその時点で5日も熱が続いていることを訴え、抗生物質を処方してもらいました。が、夜の診察だったためにすでに薬局は閉まっており、仕方なく翌日朝一で薬をもらいに行きました。
抗生物質がすぐに効かないことは知っていましたが、あいかわらず次男はぐったりしていて咳もひどく、気が気でない。そうするといろんな不安材料が次から次に浮かんできて、次男の咳は乾いた咳(肺炎の咳はもっと水っぽいらしい)だからこれは肺炎ではないのでは?この年齢ならふつうの肺炎ではなく日本でよくその名前を聞いていたマイコプラズマ肺炎の可能性の方が高いのではないか?といてもたってもいられなくなるのです。
今の世の中、なんでもインターネットで調べることができますが、いろいろな情報が溢れていて、下手をすると「ただただ不安になるだけ」というデメリットも。
まさに私がその状態でした。
マイコプラズマだったとしたら今飲んでいる薬は効かない。病原菌に適した薬さえ飲めば2〜3日で症状がよくなると書いてある。一刻も早く楽にしてあげたいと思えば思うほど疑心暗鬼になり、不安で仕方ありませんでした。
さすがに1日は様子を見ましたが変化がないので、翌日またハウスアーツへ連絡
でも、受付の人の答えは「処方した担当医に確認してから折り返し電話をする」というもの。
そんな悠長に待ってられいられない!
そうしたら電話をかけた夫が、「どんどん衰弱していく息子が心配なので実際に診て欲しい」と食い下がってくれ、ラッキーなことに20分後に予約を取ることができました。
やっぱりオランダは1回目で引き下がってはいけないんだなぁ、なんでも言ったもん勝ちなんだ、と改めて思い知らされました。
そして、薬を処方してくれた人とは違うハウスアーツに呼ばれ診察室にはいると、
「で、、、何かしら?」
「、、、」
日本なら「どうしました?まだお熱あるのかな?何かあった?」と息子の様子を診てくれそうなものですが、全くそんなそぶりはなく「すでに薬も処方してるけど何か?」的な(もちろん優しい眼差しだったけど)。
しばし沈黙があってから、おっと、これはここにきた経緯を話さないと先に進まないパタンだ!と気付いて、あわてて昨日までの経緯、症状が良くならない、病気の診断が違うのではないか、その場合はこの薬ではダメなのではないか、それを相談してくてここに来た、と説明。
そうしたら、
ハウスアーツ「それはいい考えね。で、どうしてその病気だと思うのかしら」
わたし「咳の種類が違う気がする。日本ではこの年齢だと冬にマイコプラズマ肺炎が流行るから息子もそれじゃないか。」
ハウスアーツ「最近日本へ行った?そうでなければオランダではマイコプラズマ肺炎は本当にわずかしか発症しないわ。本当に数%よ。彼を見る限り、昨日処方した抗生物質が一番適していると思うの。実際、昨日より若干だけど熱が下がっているようだし、もう少し飲み続ければきっとよくなるわ。大陸によって流行る病気(病原菌)も違うのよね。心配ないわ」
ハウスアーツ「納得してくれた?ほかに疑問点、質問はある?」
わたし「あ、、、ないです。では、そのまま薬を飲んで様子をみます」
こんな感じで私のモヤモヤは一応なくなり、もう少し様子を見ていようと納得して帰宅しました。その時感じたのが、日本に住んでた時に果たしてこんな風に医者と対等に話をしてきたかな、ということ。
とりあえず医者のいうことを鵜呑みにし、出された薬を飲み、治らなかったらまた病院へ。薬を飲んで少し良くなってもすぐにぶり返し、冬はとにかく小児科、耳鼻科になんど通ったことか!
思いっきり受け身だったなぁと。
オランダのハウスアーツが頼りない(以前、水疱瘡の診断の時も私がその病名を出さないと思いつきもしなかった若いハウスアーツがいたので)というベースもありますが、病気の対して主体的に関わって(調べすぎて不安になるのはどうかと思いますが)、医者の診断を批判的に受け取ってなかったのは事実です。
もちろん、日本でもわからないことは聞いていたし病気のことをネットで調べたりもしたことあるけど、基本的に医者の言うことに疑問を持つことは少なかった気がします。
今回は私が過剰に不安になっただけで、結局は診断は合っていたのですが、こうしてハウスアーツに疑問をぶつけてそれにちゃんと答えくれたあのやりとりは、とても有意義だったな、オランダ的だな、と思いました。
日本では冬に流行る病気でも、オランダではそうとも限らない。確かに、大陸、国ごとに同じ症状でも疑われる病気は様々。1週間熱が下がらないのがフィリピンなどの東南アジアだと、テング熱など他の感染症を疑うそうですから、頭を切り替えないと!
今後のためにと、ハウスアーツにTHUISARTS.NL という便利なサイトを教えてもらいました(ちなみにこのサイトはオランダ語のみ)。このサイトでは気になる病気や健康について、医師からの信頼のできる情報が手に入るそうです。今まではまず日本語で検索をかけていましたが、今度からはこのサイトを使って気になることを調べてみようと思います。
まあ、このサイトを利用する機会が訪れないに越したことはないのですが、、、(汗)
疑問に思ったら、意見があったら自ら動く。
何事も言わなきゃわからない、伝わらない。
ハイコンテクストな日本に住んでいた時は気にもしなかったことが、オランダではいろんな場面で必要になってくる。それが病気にかかった時も、となると気が休まる時がありません(苦笑)
何はともあれ、息子はまた免疫がついて病気に強くなりました。私もまたひとつ経験値が増えたと思えば、今回のことも何も悪いことばかりではないのです。
ただ、この寒くて暗いオランダの冬は何もなくても気の滅入る季節なので、もうしばらくはハウスアーツにお世話になるようなことのないよう祈るばかりです。
日本への一時帰国まであと1ヶ月を切りました。どうか、どうか、誰も病気になることなく無事に帰国できますように!(ほんと、12月は毎年ヒヤヒヤして心臓に悪いw)